さまざまなセンサで計測したデータは、色々な無線システムを使うことで利用者の元に届けることが可能です。これにより、離れた場所の様子をリアルタイムに知ることができます。また、多くのデータを蓄積することで、長期間の変動を知ることが可能となり、将来の予測にも役に立てることも期待できます。
さまざまな無線システムがありますが、伝送する距離、データ量、コストなどを考慮して、お客様のニーズに合わせたシステムをご提案します。以下に、当社で標準的に使っている無線システムの内容をご紹介します。
1.WiFi(無線LAN)
多くの場所に普及しているWiFi(無線LAN)をデータの伝送に利用するシステムです。他のシステムを利用するためにすでに導入されているところが多く、低コストに導入することが可能です。屋内、建物周辺で利用可能で、あまり長距離の伝送には向いていません。
2.LPWA
LPWA(Low Power Wide Area)は、なるべく消費電力を抑えて遠距離通信を実現する通信方式で、IoTの構成要素の1つとして注目されています。LPWAの仕組みは各社から様々な仕様のものが発表され実用化されていますが、当社では通信に使う周波数が920MHz帯のものと429MHz帯の2つの仕様を用意しています。いずれも、総務省の技術適合基準に適合したもので、使用に際し無線局に係る資格、免許、届出などの手続きは不要です。
使用環境によっても異なりますが、920MHz帯の周波数を用いたものは1km程度まで、429MHz帯の周波数を用いたものは7km程度までの通信距離を確保できます。コスト的には、920MHz帯を用いたシステムの方が安価であり、通信距離に合わせて選択することができます。
3.デジタル簡易無線
351MHz帯を使ったデジタル簡易無線のうち、データ伝送用の無線装置を使ったシステムです。無線装置のコストは高くなりますが10km程度の通信距離を確保することが可能で、海上の施設など遠距離通信が必要な場合に適しています。使用に際しては、あらかじめ総務省に登録が必要で、毎年電波利用税(1台あたり数百円程度)の納付が義務付けられています。
4.無線システムの比較
ご使用になる環境等から、最適な無線システムをご提案いたします。
無線システム | 使用周波数 | 電波出力 | 通信距離 | 通信速度 | 備考 |
WiFi IEEE802.11 b/g/n | 2.4GHz帯 | <10mW | ~100m | 最大150Mbps | 通信速度はIEEE802.11n |
LPWA | 920MHz帯 | 10mW | 1km | 1.25kbps~50kbps | |
LPWA | 429MHz帯 | 10mW | 7km | 15~245 bps | |
デジタル簡易無線 | 351MHz帯 | 1,000mW | 10km | 4800bps |
注1:WiFiの通信規格は当社が採用しているものです。
注2:通信距離は目安の距離です。使用する環境により異なります。
注3:通信速度は最大値を示しています。使用状況により変化する場合があります。