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大気中の二酸化炭素濃度

大気中の二酸化炭素濃度

新型コロナウイルスの感染を防ぐため、3密の回避が求められています。このため「換気の悪い密閉空間」をつくらないように、適切な換気を行うことの目安として二酸化炭素濃度を測定し概ね1000ppm以下に維持することが望ましいとされています。
二酸化炭素濃度を測定するために使われている計測器(二酸化炭素モニタ)ですが、換気の良いところでも400ppm程度の数値が示され、大気中には常に二酸化炭素が存在していることがわかります。

今回は、大気中の二酸化炭素濃度について、お話したいと思います。

下の図は、1984年から2015年までの地球全体の二酸化炭素濃度の経年変化のグラフです。
グラフから、この30年間に50ppm以上も増えていることがわかります。

気象庁HPより引用

二酸化炭素濃度が増える理由には色々ありますが、化石燃料を燃やすことが主な原因となっています。私たちは暮らしを豊かにするために、多くの電力を使い、人やモノを短時間で遠くまで運んでくれる色々な交通手段を使っています。これらのことを含めた経済活動には多くのエネルギーが必要で、ほとんどが化石燃料を燃焼することで得られています。
現在の大気中の二酸化炭素濃度は約400ppmですが、今のように多くのエネルギーを使っていなかった産業革命(18世紀)のころは約280ppmであったと言われており、今後このままの推移を辿ると21世紀後半には約640ppmになると考えられています。

一方、植物や植物プランクトン、藻類などの光合成色素をもつ生物は、光エネルギーにより大気中の二酸化炭素と水から炭水化物を合成し、二酸化炭素を吸収(固定)し酸素を放出してくれます。多くの木々が茂る森林は二酸化炭素を吸収してくれる優等生ですが、農地への転用、焼き畑農業、燃料用木材の採取、森林火災などでその面積を減らしているのが現状です。また、磯焼けと呼ばれる海の砂漠化による藻類の喪失も多くの地域で発生しています。

二酸化炭素は温室効果ガスのひとつで、大気中の濃度が増えることで地球温暖化を加速する原因になると考えられています。地球温暖化が進むと、地球規模での頻繁な異常気象の発生、生態系の崩壊などが懸念されており、実際に起こっている現状にあります。
このため、詳しくは述べませんが世界各国が協力して、二酸化炭素排出削減のための取り組みが進められています。参考に

経済産業省 資源エネルギー庁 今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~
環境省 「COOL CHOICE」2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、未来のために、いま選ぼう。
国立環境研究所 地球環境研究センター ココ が知りたい地球 温暖化

話題の二酸化炭素モニタですが、その測定値が400ppm以下となるのは・・・

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